関節リウマチについて
膠原病の1つである関節リウマチは、リウマチ性疾患であると同時に自己免疫疾患でもあります。発症メカニズムは不明ですが、免疫異常がきっかけとなって、多関節炎を生じます。
朝のこわばりや、手、手指、足趾の関節の腫れ、痛みが出現します。腫れや痛みの状態が慢性的に続くようになると関節破壊、変形を起こします。そのほかに、全身症状として微熱・倦怠感・食欲不振などがみられることがあります。
女性の患者数が圧倒的に多く、男性と比べるとその数は約3~4倍とも言われています。
検査について
関節リウマチが疑われる場合は診断確定のための検査を行います。リウマチ因子や抗CCP抗体などの血液検査や画像検査(レントゲン撮影、エコー検査)を行い、関節リウマチに特徴的な所見があるか検討します。
当院では、実際に関節に炎症があるかどうか、関節エコー検査を用いて正確に診断することを心がけています。関節エコー検査によって、治療を必要とする関節炎の有無、腱鞘炎の合併の有無、関節リウマチ以外の原因がないかを検討します。
治療について
治療では、関節の腫れ、痛みの解消と関節破壊を防ぐことを目的とし、寛解(完治ではないが症状が治まっている)を持続できる状態にしていきます。治療法に関しては薬物療法が中心で、免疫を抑える効果のある薬(メトトレキサート
など)や生物学的製剤(関節破壊の抑制に効果が期待できる)、場合によっては短期的にステロイド剤を用いることもあります。特に、リウマチ治療薬の進歩は著しく、生物学的製剤と呼ばれる注射製剤を積極的に用いて、関節炎をなるべく早期に抑えることを目標とした治療を行います。
しかしながら、抗リウマチ薬は長期的に使用する薬剤で、免疫を抑制することから副作用の出現がないか、また出てしまったときにどのように対処するかを考えながら治療を進めていく必要があります。
なお、上記の治療法では改善が困難で、関節の変形や破壊がかなり進行している場合もあり、手術療法が必要となりこともあります。そのような場合は、対応可能な医療機関をご紹介します。