リウマチ科とは

リウマチ科とは

日本リウマチ学会認定リウマチ専門医でもある院長が診療します。
リウマチ科とは、関節リウマチだけでなく膠原病全般の診断、治療する診療科です。リウマチとは筋肉や関節が痛む病気の総称です。代表的な疾患として関節リウマチ、痛風、偽痛風、リウマチ性多発筋痛症、などがあります。

膠原病とは、一つの疾患ではなく免疫異常が引き金となり発症すると考えられている自己免疫疾患の総称です。
代表的な疾患としては全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群、関節リウマチなどがあります。

当院では関節リウマチやリウマチ性多発筋痛症、痛風、偽痛風、乾癬性関節炎などのリウマチ性疾患の診断、治療、膠原病の診断、治療に力を入れています。
関節のこわばりや関節痛が長く続く場合は、お気軽にご相談ください。

当診療科の対象となる主な膠原病、リウマチ性疾患

関節リウマチ

関節リウマチは、リウマチ性疾患であると共に自己免疫疾患でもあります。発症原因は不明ですが、免疫異常と考えられており、自己の関節を免疫系が攻撃するために起こると考えられています。

朝方に手指などの関節にこわばりが現れ、関節痛、関節腫脹が出現するようになります。このような腫れ(炎症)は、手の指や手首の関節を中心に複数の箇所に、ほぼ左右対称にみられることが多いです。手以外では、足の指の付け根の関節や、肘、膝、肩などの全身の関節炎も生じることがあります。

そして腫れや痛みの状態が続くと関節破壊が進行し、関節変形が出現することがあります。そのほかには、全身症状として微熱・倦怠感・食欲不振などがみられることもあります。

高尿酸血症、痛風

血液中で尿酸が増えている状態が高尿酸血症で、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えていると診断されます。増え過ぎた尿酸が結晶として関節に溜まってしまうと激痛を伴う痛風発作が起きます。なかでも発作が起きやすいとされているのが足の親指の付け根付近です。この場合、赤く腫れて激しい痛みが伴い、歩行や靴を履くのも困難になることもあります。また、通常は急性の発作をおこす痛風ですが、高尿酸血症を放置し、何度も発作を繰り返しているような状況が続くと慢性痛風性関節炎となることがあります。

なお高尿酸血症は、痛風発作が伴わなければ自覚症状がほぼありませんが、慢性的に高い状態が続いた場合、腎障害、尿路結石の疾患をおこすことがあります。

高尿酸血症の原因は先天的な代謝異常、造血器疾患、尿酸が排出されにくい体質、一部の薬剤ということも考えられますが、尿酸の元となるプリン体を多く含む食品(レバー類、干し椎茸、魚卵類、えび、かつお、いわしなど一部の魚介類)の過剰な摂取、多量の飲酒、肥満、激しい運動(無酸素運動)のやりすぎで起きることもあるので、生活習慣を見直すことも重要です。

全身性エリテマトーデス

膠原病、自己免疫疾患のひとつで、発症すると発熱、顔面や頬などに赤い発疹、関節痛などの症状が現れることがあります。また、腎炎を起こした場合は浮腫、体重増加などで気がつかれることがあります。症状の現れ方には個人差が大きく、診断に迷うこともありますが、症状経過と採血検査での白血球や血小板減少、補体低下や自己抗体の出現を確認し診断します。妊娠可能な年代の女性に多い疾患であり、治療内容、妊娠、出産に関して、計画的に進める必要があります。

原因については、紫外線や月経周期や妊娠、出産によるホルモンバランスの変動など仮説がありますが、現時点でははっきりしていません。

治療については、症状によって異なりますが、ステロイド薬による薬物療法が中心となります。ステロイドに関しては、長期使用による副作用の問題もあり、最近ではなるべく使用量を減らすために、免疫抑制剤やヒドロキシクロロキンなど新規に使用可能となった薬剤を積極的に併用しています。また、ステロイド副作用対策を行い治療を進めています。腎臓や中枢神経など重度の臓器障害がある場合は入院治療が必要となりますので、入院対応可能な医療機関に紹介します。

シェーグレン症候群

涙や唾液といった分泌液が減少する病気で眼や口内が乾燥し、違和感を覚えるのが特徴です。喉が渇く、口が乾く、唾液が飲み込みにくい、虫歯ができやすい、ドライアイの症状がある、耳下腺が腫れているといった症状があれば、同疾患が疑われます。また、関節痛を伴うこともしばしばあります。40~50代の女性に発症することが多く、閉経前後に重なることもあり、いわゆる更年期障害の症状と紛らわしいことがあります。

なおシェーグレン症候群は、他の膠原病を合併していることが多く、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症などを併発していないか、診察や採血検査で確認することがあります。治療は唾液分泌を促進する薬剤、人工唾液、点眼薬などの対症療法が中心となります。

血管炎症候群

主に免疫異常によって、血管壁に炎症が起きている状態を総称して血管炎症候群と言います。血管壁が炎症によって血栓や狭窄、閉塞を起こし、各種臓器に障害が現れます。全身に張りめぐらされている血管に炎症を起こすため、皮膚、肺、腎臓、消化管、心臓とほぼ全ての臓器が障害される可能性があり、症状は多彩ですが、共通する症状として、発熱、全身の倦怠感、関節や筋肉の痛み、食欲不振などがあります。また、血尿・たんぱく尿、手足のしびれなどの神経症状、皮膚症状(湿疹や潰瘍)などが出現することもあります。障害される血管の太さにより現れる症状はそれぞれ異なります。

血管炎の種類としては、大血管に炎症が起こる高安動脈炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、中型血管で起こる結節性多発動脈炎、細い血管でみられる顕微鏡的多発血管炎などがあります。血管炎は種類により起こりやすい年齢があるため、上記症状を認めた場合、年齢を考慮し検査を進めていきます。

上記のように様々なタイプの血管炎がありますが、どの種類であっても治療の基本はステロイド薬の使用になります。そのほか、最近では積極的に免疫抑制剤や新規の薬剤である生物学的製剤(リツキシマブ、トシリズマブ)などを使用しステロイド使用量、副作用を抑える工夫をしています。初期治療は入院治療が必要となるため、連携医療機関に紹介させていただきます。